田畑を病虫害などの災いから守るまじない札を「虫札(むしふだ)」といいます。
神社より授かった虫札を折って竹の竿先にはさみ、田畑の畦や水口に立て、害虫が退散するのを祈願するものです。
豊前坊の虫札は解読不詳で、一説には神代文字で書かれているとされ
『はらひたつる ここもたかまの はらなれば はらひすつるも あらいそのなみ』
という神歌を詠んだものと文献で伝えられています。
こうした農作にまつわる呪具は他にも“彦山がらがら”などがあり、かつて農業主体であった時代の名残として、今も受け継がれています。